たったひとりの人、私の欧介さん②


ドラマ『やまとなでしこ』と私。
私がやまとなでしこを見たのは大学4年生、22歳のときだった。そのドラマを見るまでは、松嶋菜々子さんのことは特別好きではなかった。実年齢にほぼ近い27歳の桜子を演じる、スッチーの菜々子さんは、ほんっとにきれいでかわいくて素敵だった。あの声も大好きである。まだ大学生だった私は、桜子が身にまとう、ディオールや、バレンチノや買ってもらったFOXYのお洋服、ショーメや、ショパールの時計や装飾品に憧れた。だって本当に似合っていたもの。もうあれから六年たっているけど、今見ても、時の流れを感じさせず斬新で素敵だ。一流ブランドってさすがだなと、これだから思うよ。
お金持ちが大好きで、合コンの女王。その美貌でどんなお金持ちも自分の虜にする。そして桜子も筋金入りの金持ちをゲットするまで、決して努力をおしまない。寝る間を惜しまず、デート(査定)をする桜子は、体力ある〜。『洋服は私のすべてなの、人生そのものなの』このはっきりとした、信念は潔くてかっこいいと思った。そして、なぜ必死になって合コンに励んでたかというと、女が最高値で売れるのは、27!12月の誕生日までのラストスパートだったのだ。これで私が27歳にこだわっていたのをわかって頂けただろう。

22歳の私はそのドラマを高校のときの同級生の男の子と見ていた。 懐かしいなあ。 その彼とは結局おつきあいはしなかったのだけれど、なでしこの思い出の人には違いない。私は横浜、彼は静岡で月9を毎週楽しみに見ていた。第9話・彼女が泣いた夜では二人とも号泣したっけ。『年収と遺産と不動産』でしか男を見ない、ゆがんだ桜子、でも憎めないのは時折見せる、優しさやどこか普通のかわいい乙女的な部分があったから。その彼は、私のわがままなところも知っていた、桜子をとても気に入り、似ても似つかない私と桜子を照らし合わせ見ていたんだと思う。彼はこんな私のことを7年越しに思い続けてくれた。最近、思うのは、自分のことを愛してくれた人のことって絶対に忘れない。その愛が深ければ深いほど。彼は言っていた。『一番好きになった人とは結婚はできないから、二番目に好きになった人と結婚するんだ』って。彼はそのとおり一昨年、結婚した。友人達にはよく思い出を美化させすぎ、と言われるが…。私も彼のこと好きだったんだけれど…。プラトニックな恋愛だったからこそ二人ともいい思い出なんだろうな〜。
時を経て、私は最高値の27歳になった。私と、桜子はたったひとつ、誕生日が12月ということだけ共通していた。28歳の誕生日までカウントダウンかけて、頑張ったが、失敗。TSUTAYAでDVDを借りてきて、それとなーく、欧介さんにやまとなでしこを見せたり。。(結構、楽しく見てくれたの。欧介と桜子のデートでパチンコの景品でとったゴリラのおっきいぬいぐるみを担いでいるシーンをとても気に入っていたよ!)でも、27歳でたったひとりの人と巡りあいたいの!27歳でウェデングドレスが着たいの。そんな思いは通じず、現在に至るわけで。。